「オーディブルで英語って、聞き流すだけで意味あるの?」
オーディブルの聞き流しに、意味はあります。ただし条件が2つ。①意味がわかる英語を、②何度も聴くことです。
リビングのHomePodから、日本語、ゆっくり区切った英語、ふつうの速さの英語が順番に流れてきます。ボクはその前で、フィットボクシング3のパンチを打っていました。14分の番組が終わったとき、頭に残っていたのは日本語のほうでした。
この記事では、オーディブルの英語学習が効く2つの条件と、英語耳(英語の音を聞き分ける耳)がない大人が最初に聴くものを、研究とボクの体験からまとめました。
ただ、英語を話せるようになりたい方は、聴くだけでは足りません。
- オーディブルの聞き流しが英語の力になる、2つの条件
- フィットボクシング3をしながら聴いて分かった、入る時間と入らない時間
- 英語耳がない大人が最初に聴く、無料の番組と聴き放題の教材3つ
日本語つきの英語教材も聴き放題。無料体験の対象なら、30日は0円で聴き比べられます。
オーディブルで英語学習はできる?
できます。ただし、聞き流しが英語の力になるのは、意味がわかる英語を、何度も聴いたときです。この2つがそろわないと、耳には入っても身につきません。
英語学習の教材は、十分にあります。Audibleの「語学学習」の英語には3,000件以上の作品があり、人気順の上位20件のうち15件が、プレミアムプランの聴き放題の対象でした(2026年9月29日にAudible公式サイトで確認)。
差がつくのは、何をどう聴くかです。
条件①:意味がわかる英語を聴く
1つ目は、聴いている英語の意味が、だいたい分かることです。知らない単語だらけの英語は、何回聴いても意味につながりません。
外国語の研究でよく知られているのが、言語学者クラッシェンの「インプット仮説」です。今の力より少しだけ上の、「わかる」英語をたくさん受け取ることで外国語は身についていく、という考え方(1985年の本にまとめられています)。研究者のあいだでは異論もある説ですが、「わからない英語を浴びるだけでは伸びにくい」という出発点は、ボクの実感とも合います。
では、どのくらい分かればいいのか?
聞き取りの実験では、使われている単語の95%を知っていれば、多くの人が内容をだいたい理解できました(ファン・ゼーランドとシュミットの研究・2013年)。読むときは98%が目安と言われることが多いので、聞くほうが少しだけゆるいんです。
100語のうち、知らない単語が5つまで。

知っている単語が少ないうちにいきなり洋書を聴くと、この「5つまで」を超えやすくなります。そこで効くのが、日本語がついた教材です。ボクが最初に聴いた番組も、日本語のフレーズが先に流れるので、英語より先に意味が頭に入りました。
いちばんはっきり入ったのは、Audibleの『Steve Jobs SPEECHES』でした。スタンフォード大学でのスピーチなどを、英語の原文のパートと日本語訳のパートに分けて収めたオーディオブックで、ボクは両方を聴いています。
このスピーチは、日本語訳つきのYouTubeで何回も見てきました。点と点がつながる話、アップルを追い出された話、ピクサーの話、最後の「Stay hungry, stay foolish.」。中身を先に知っていたので、英語のパートも、皿洗いをしながら何となく意味を追えました。
意味を先に知っている英語は、聞き流しでも入ってくる。条件①は、これのことです。
条件②:同じ英語を何度も聴く
2つ目は、同じ英語を何度も聴くことです。一度聴いただけの英語はすぐ流れていきます。ボクの場合、くり返し聴いた英語は、口から出てくるようになりました。
これは、ボクの洋楽で説明がつきます。
ヨウカン意味はある。洋楽は結構歌えるから(笑)
Bon Jovi、Oasis、Queen、映画『アルマゲドン』のエアロスミス。どれも昔から何度も聴いてきた曲です。同じ曲をくり返し聴いてきた積み重ねか、新しい曲もすぐに歌えるようになるんです(歌詞の意味は分からないけど)。
じゃあ、歌詞の意味はどうやって知っていたのか?
Apple MusicやYouTubeの和訳つきで知ることが多いです。昔はCDに和訳が入っていました。ネイティブではないので、今でも和訳を見ることのほうが多いですね。
つまりボクの洋楽は、「何度も聴く」で音が身につき、意味は和訳で別に足してきたわけです。ボクが聞き流しだけで手に入れたのは、音まで。意味まで届かせるには、条件①が要ります。
オーディブルの聞き流しだけでは、身につかない?
ボクが試したかぎり、聞き流し「だけ」で身につくのは、英語の音に慣れるところまででした。それも、耳が空いている時間に限ります。頭と体が別のことで埋まっている間は、英語はほとんど入ってきませんでした。


ボクも、最初はこう考えていました。



英語は、流しておくだけでも良いのでは?
実際にどうだったかは、フィットボクシング3(2025年8月から続けている、Nintendo Switchのボクシングのフィットネスゲーム)をしながら試して分かりました。
フィットボクシング3をしながら聴いたら、英語は単語だけだった
日本語のフレーズは、頭に入ってきました。英語は、単語をいくつか拾えた程度です。
聴いたのは、Audibleで無料で聴ける英会話のポッドキャスト(ラジオのような番組)の、基本の動詞を使った50の文を練習する回です。リビングのHomePodで流しながら、パンチを打ちました。
パンチを打ちながらでも、日本語は入ってくる。英語は、聞こえてはいるのに意味までつながらない。
日本語は毎日使っているので、聞き逃した所を頭が勝手に補っているのかもしれません。文字の順番が入れ替わった文章でも、なぜかすらすら読めてしまう。あれに近い感覚です(ボクの感じ方で、確かめたわけではありません)。
休憩中は、英語も3割くらい入った
プログラムの合間の休憩中や、「シッ!シッ!」と息を吐いてパンチしていないときは、英語もいくらか入ってきました。体感で、全体の3割くらいです。
この差の説明になりそうなのが、応用言語学者シュミットの「気づき仮説」です。聞こえた英語のうち、学ぶ人が「気づいた」ものだけが、身につく材料になる、という考え方(1990年の論文)。パンチに集中している間は、英語に気づく余裕がない。休憩で耳が空いたときだけ英語が届いた、と考えると、ボクの体験とつじつまが合います(これも研究者のあいだで議論のある仮説です)。
📝 ボクの記録(フィットボクシング3と英会話)
- 聴いたもの:Audibleの無料のポッドキャストで、基本の動詞50文を練習する回(14分)
- 場所:リビング。HomePodで流した
- パンチ中:日本語のフレーズは入る。英語は単語を拾える程度
- 休憩中・パンチしていないとき:英語もいくらか入る(体感で全体の3割)
- 1話が、フィットボクシング3のプレイ中にちょうど終わった
聞き流しは、耳が空いている時間に置くのがコツです。皿洗いや、子どもの送迎の待ち時間のような、頭を使わない手作業の時間。英語に限らず、耳から入る話と入らない話の分かれ目は、オーディブルが頭に入らないときの記事に書きました。聴く時間をカレンダーに入れて続けるやり方は、オーディブルの使い方にまとめています。
参考にした研究:Krashen, S. (1985) The Input Hypothesis: Issues and Implications/van Zeeland, H. & Schmitt, N. (2013) Applied Linguistics 34(4)/Schmidt, R. (1990) Applied Linguistics 11(2)
英語耳がない大人は、何から聴けばいい?
ボクなら、洋書ではなく、日本語がついた短い教材から入ります。ボクが聴いたのは、Audibleの無料のポッドキャスト。続けて聴くなら、聴き放題の中に「日本語つき」や「基本の単語だけ」の教材があります。
偉そうに書いていますが、ボクも英語は得意ではありません。
小学校の教員だったころ、英語の授業はALT(外国語指導助手=英語の授業を一緒に受け持つ外国人の先生)と一緒でした。その先生は日本語がほとんど話せなかったので、大変だったのは子どもより、授業の打ち合わせをするボクのほう(笑)。今のように便利な翻訳アプリもない時代でした。ALTの先生に「Bon Jovi…No…」と言われた記憶もあります。好みは人それぞれです。
ボクが聴いたのは、無料の英会話ポッドキャスト
『【聞くだけで覚えられる 】簡単な英語表現・ 初級 | 聞き流しのリスニイング 🍎』(配信者:しゃべれる英語)です。Audibleの作品ページには「無料で聴く」と出ています(2026年9月29日に確認)。
1つのフレーズを、3段に分けて聴かせてくれます。
- 日本語のフレーズ
- 単語ごとに、一音ずつゆっくり区切った英語
- ふつうの速さの英語
先に日本語で意味が分かり、ゆっくりの英語で音が分かり、最後にふつうの速さで聴く。条件①の「意味がわかる英語」を、番組の形そのものが満たしています。


全部で5話。1話は13〜16分で、5話を合わせても70分ほどです(エピソード一覧で確認)。ボクが聴いた回は、フィットボクシング3のプレイ中にちょうど1話が終わりました。学習するのにちょうど良い長さだと感じています。
弱いところもあります。Audibleでは、いちばん新しい回が2023年9月の配信です。話の数が少ないぶん、同じ回をくり返す使い方に向いています。
同じ音声は、字幕つきでYouTubeにも出ています(番組の説明より)。YouTubeなら、会員にならなくても試せます。
聴き放題で、次に聴く候補は3つ
無料の番組の次に聴くなら、聴き放題の中から「意味がわかる」工夫のある教材を選びます。ボクの候補は、この3つです。
| 作品 | 長さ | 意味がわかる工夫(公式の紹介より) | 付属PDF |
|---|---|---|---|
| 基本の78パターンで 英会話フレーズ800 | 3時間51分 | 中学英語レベルの78パターンで話す。上の番組の説明で、おすすめの教材に挙がっている | あり |
| 究極の英語リスニングVol.1 SVL1000語レベルで1万語 | 1時間15分 | 基本の1,000語だけで作った英文。1分に100語のゆっくりから、ふつうの速さまで | ページに記載なし |
| スピードラーニング英語 初級(1巻から24巻) | 29時間48分 | 英語と日本語が入った版を先に聞き流し、慣れたら英語だけの版へ | あり |
3つとも、プレミアムプランの聴き放題の対象です(2026年9月29日にAudible公式サイトで確認)。ボクはまだどれも聴いていないので、中身の良し悪しは言えません。選んだ理由は、条件①に合う作りだからです。
英文を目でも確かめたいなら『基本の78パターン』(付属PDFあり・ボクが聴いた番組が説明欄ですすめている教材)。まず短く試したいなら、1時間15分で終わる『究極の英語リスニングVol.1』からです。
聴き放題は、プレミアムプラン(月1,500円)だけです。スタンダードプラン(月880円)は、毎月1冊を選ぶ形になります。2つの違いは、オーディブルの料金の記事にまとめました。
洋書は「だいたい分かる」ようになってから
洋書は、後回しでいいと思います。オーディブルでの英語学習をすすめる記事の多くは洋書を紹介していますが、知っている単語が少ないうちは「単語の95%が分かる」に届きにくいからです。
洋書に手を伸ばすなら、ボクは日本語で内容を知っている本の英語版から選びます。ジョブズ氏のスピーチと同じ形です。話の筋が分かっていれば、知らない単語があっても意味を追いやすくなります。
効果が出る聴き方は?
1話を1回の単位にして、同じ回を何度もくり返すことです。慣れてきたら、聞き流しの次に声に出してみる。この順番で、条件の①と②が両方そろいます。


同じ回を「聞き流す→声に出す→英語を思い浮かべる」の順で
ボクが聴いた番組の説明には、練習の順番が書いてあります。まとめると、こうです。
- 何度か聞き流して、日本語と英語に慣れる
- 英語に合わせて、一緒に声に出す
- 日本語を聞いたら、英語を頭に思い浮かべる(日本語のあとに、考える数秒の間がある)
フィットボクシング3をしながらの聴き方は、この1段目にあたります。条件②の「何度も」を重ねる段階です。
2段目と3段目は、耳だけでなく口と頭も使います。家事の合間より、一人で落ち着ける時間のほうが向いていると思います。
速度・クリップ・タイマーを使う
聞き取れない所は、速度を落とします。Audibleのアプリは、再生速度を0.5倍から3.5倍まで変えられます(Amazonの使い方ガイドより)。


引っかかった一文は、クリップで残します。クリップは、5〜44秒の音声を保存して、メモも付けられる機能です(Audibleのヘルプより。スマホのアプリで使えます)。
1話の途中で止めたいときは、タイマー。英会話の番組を再生中のボクの画面では、5分から60分のほか、エピソードの終わりまで、自分で決めた時間から選べました。
聴き放題で英語を学ぶのが向く人・向かない人
オーディブルの英語学習が向くのは、英語の音に慣れたい初級の大人で、毎日どこかで耳が空く時間がある人です。話せるようになりたい人と、無料の番組1つで足りる人は、会員にならなくていいと思います。
話す力のほうは、聴くだけでは育ちませんでした。子どもの英会話教室では、外国人の先生がその日やったことを英語で説明してくれます。言っていることは、何となく分かる。でも会話となると、ボディーランゲージと簡単な英語だけです。相手が察してくれて、何とか成り立っている気まずさ。ALTの先生とのときも同じでした。
聴いて慣れるほうなら、耳の空く時間があれば足ります。ボクの場合は、フィットボクシング3の休憩の間でした。そういう時間が1日に1話ぶん(13〜16分)あれば、1話ずつ聴けます。
電車やバスの通勤・通学で、文字を読むと酔ってしまう方にも向いていると思います。耳なら、本を開かずに聴けます。1日30分なら、1か月(30日)で900分=15時間。『基本の78パターン』(3時間51分)を、4周近くくり返せる時間です。
| こんな方 | 合うもの | 理由 |
|---|---|---|
| 英語を話せるようになりたい | 話す練習(相手のいる英会話) | 聴くだけでは、話す力は育ちにくい |
| 1つの番組をくり返せば足りる | Audibleの無料のポッドキャスト/YouTube | お金をかけずに聴ける(YouTubeは会員登録もいらない) |
| 英文を目で確かめながら聴きたい | 付属PDFのある教材(『78パターン』など) | 耳と目の両方で意味をつかめる |
| 耳が空く時間があり、教材をいくつか試したい | Audible プレミアム(30日無料体験) | 聴き放題で、自分に合う教材を探せる |
迷うなら、まず無料の英会話ポッドキャストで1話だけ。「くり返し聴けそう」と思えて、全5話(70分ほど)を聴き終えたころに次の教材が欲しくなったら、聴き放題の教材を試す順番がおすすめです。
聴き放題の英語教材は、30日の無料体験のあいだも聴けます。体験のあとは月1,500円。終わる前にやめれば、料金はかかりません。
よくある質問
- プライム会員なら、英語の教材は無料で聴けますか?
-
プライム会員だからといって、無料にはなりません。聴き放題はAudibleのプレミアムプラン(月1,500円)で、プライムの会費とは別にかかります。ただ、「【プライム会員限定】プレミアムプランが最初の4か月 月額99円」のキャンペーンがあります(10月19日(月)まで・対象者限定/2026年10月3日にAudible公式サイトで確認)。
- スタンダードプランでも、英語の教材は聴き放題ですか?
-
聴き放題はプレミアムプランだけです。スタンダードプランは、すべての作品から毎月1冊を選ぶ形です。ポッドキャストは、スタンダードでもほとんど聴けます(一部はプレミアム限定)。
- 再生速度は、遅くできますか?
-
できます。Audibleのアプリは、0.5倍から3.5倍まで変えられます(Amazonの使い方ガイドより)。聞き取れない回は遅くして、慣れたら1倍に戻すのがおすすめです。
- 英文のテキストは見られますか?
-
作品によります。『基本の78パターンで 英会話フレーズ800』と『スピードラーニング英語 初級』の作品ページには、付属資料のPDFが用意されていると書かれています。見る場所は、パソコンのライブラリーか、アプリの「目次」です。
- 1日にどれくらい聴けばいいですか?
-
決まった答えはありません。ボクは、1話(13〜16分)が1回にちょうどいい長さだと感じました。『スピードラーニング英語 初級』の紹介には、1回5分から始めて続けることがすすめられています。
- 無料の番組だけで足りますか?
-
意味がわかる英語を、何度も聴く。この2つの条件を満たせるなら足ります。同じ回をくり返すうちに物足りなくなったら、聴き放題の教材を試す番です。
まとめ:迷ったらこれ1つ
- オーディブルの聞き流しに意味はある。条件は、①意味がわかる英語を ②何度も聴くこと
- ボクの体験では、聞き流し「だけ」で身につくのは音まで。耳が空いている時間に聴く
- 英語耳がない大人の英語学習は、洋書より、日本語つきの短い教材から
- 無料の番組で試して、続けたくなったら聴き放題の教材へ
ボクの結論は、「オーディブルの英語は、意味を先に渡してくれる1話を、耳が空いた時間にくり返す」です。洋楽では、聞き流しで手に入ったのは音だけでした。だから英語の学習では、意味を先に。日本語つきの教材なら、その順番を番組のほうが作ってくれます。
今日できるのは、無料の英会話ポッドキャストの第4話「基本動詞50文」(14分)を、耳が空く時間に1回流すことだけ。日本語のあとで英語を思い浮かべる練習は、同じ回に慣れてからで間に合います。
無料の番組を聴き終えて、次の教材が欲しくなったら、プレミアムプランの30日無料体験を1つだけ。『基本の78パターン』を含めて、日本語つきの教材を聴き比べてから、続けるかを決められます。プライム会員なら、10月19日までは4か月99円のキャンペーンのほうが長く試せます。
体験のあとは月1,500円。終わる1週間前を、カレンダーに入れておくと安心です。










